SANKYOさんにお声がけいただき、6月15日に「CRフィーバーマクロスフロンティア2」の展示発表会にお邪魔してきました。発表当日は大勢のメディアだけでなく、パチンコ・パチスロのブログをやっているブロガーの方々も大勢参加しました。なんでもSANKYOさんが一般の人を展示会に招待するというのは初めての試みだそうです。
そして、一般の方を呼び、大々的に行った展示会にはこれからのSANKYOの「覚悟」が見えた、そんな気がしました。
CRフィーバーマクロスフロンティア2ってどんな台?
今回発表されたCRフィーバーマクロスフロンティア2。なんでも携帯連動サイトのパワコミの「続編出すなら何の機種がいい?」というアンケートで一位を取ったコンテンツだそうです。(ちなみに2位は創聖のアクエリオン)
何はともあれまずは台のことについて書きましょう……とはいえ試打させていただいたとはいえ今回は大当たり確率などの細かい数値は発表会でも触れられず、頂いた資料にも記載がありませんでした。
わずかに公開された情報としては
- 1種2種混合機である
- スペックはライトミドルである
- 新機能として「Vチャレ」「泣きの一回」を搭載している
あたりがクローズアップされていました。順にご説明していきましょう
1種2種混合タイプって?
色んな所で当たり前のように「1種2種混合」と書かれてますが、ものすごく簡単に言うと「デジパチ(厳密には「セブン機」と呼ばれた旧1種)と羽根物(旧2種)が混ざってる台」のことです。
同じSANKYOで言えば「CRフィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」、他社で言えば京楽の「CR AKB48」、サンセイR&Dの「CR牙狼(初代)」などが1種2種混合機です。ちなみにここで言う「1種」「2種」は2004年以前の古い分類の名称ですが、未だに使われています。
通常時はデジパチ(旧1種)として左打ちを行い、ヘソ入賞で抽選を行います。大当たり時に時短付き大当たりに当選(例えば初代牙狼なら1/2で当選)すれば羽根開閉の右打ちに移行します。
「時短付き大当たりに当選すれば」と書きましたが、右打ちはあくまで「時短」であり、初代牙狼の場合だと100回羽根が開くと通常時に戻ります。ただ、普通に打っていれば100回羽根開放するまでにV入賞するので一般的に「時短だ」と意識されることはありません。V入賞時には再び抽選を行い、右打ちが継続するのか、転落するのかを抽選します。
1種2種混合機のメリットはいろいろありますが、「右打ち時はV入賞させれば当たりになるので、連チャンのスピードが早い」というのがあります。また「ヘソ→右打ちの割合と、V入賞継続とで確率を変えられる」というのもあり、これをうまく使うことで「右打ち突入率を低めにして右打ち継続率を上げる」といったこともできます。遊技面では基本的に大当たり時も右打ち継続となるので、「連チャン中は右打ちっぱなしでいい」というわかりやすさもあります。
SANKYOがライトミドルにこだわるワケ
展示会では「今回はライトミドルで出す前提で開発した」と言わんばかりの説明がありました。詳しくは後述しますが、SANKYOは昨今の遊技人口の減少を食い止め、少しでも上向かせるにはライトミドルしか無い、という結論からCRフィーバーマクロスフロンティア2をライトミドルで出したとのこと。
例として「CRフィーバー機動戦士ガンダム-V作戦発動-」「CRフィーバー真花月」「CRスターウォーズ バトルオブダースベーダー」「CRフィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」あたりを出し、ライトミドルの重要性を説いていました。
MAXスペックやミドルスペックよりも低投資で当たりやすい。かつ、甘デジよりも出玉が期待できる。SANKYOさん的には「ライトミドルは成功体験をしやすいスペック」ということでこだわっているように感じました。個人的にもライトミドルは初心者にもとっつきやすい印象なのでこれは応援したいところではあります。
ただ、メーカーが一推しのスペックとはいえホールさんの協力がないことには……という話でもありますので、ここは「言ったからには頑張って欲しい」と思うところですね。
「Vチャレ」と「泣きの一回」の仕組み(ただし予想)
SANKYOの「CRフィーバー涼宮ハルヒの憂鬱」の場合、北高祭モードが終了すると即左打ちになりました。転落したら即終了。ハルヒに限らず牙狼やAKBも見た目時短っぽいモードが用意されてますが、内部的には完全に通常に落ちます。
しかし、CRフィーバーマクロスフロンティア2は右打ちから転落しても「泣きの一回」が存在します。これは右打ちの大当たり終了後に1回だけV入賞の抽選を行うというもの。
どうやってるのか、という話になるのですが右打ち時は「時短100回の当たり」と「時短1回の当たり」を抽選しており、100回の時は「右打ち継続」、1回の時は「泣きの一回」という風にしているのではないかと思われます。
同様に、「Vチャレ」は2R大当たりの後に発生することから「2R大当たりには時短4回がついてくる」という事なのではないかと思われます……あくまで推測ではありますが……。
図にするとこんな感じです。あくまで「予想」です。フロンティアモードを「羽根開放100回」って書いてますけど、この100回も予想ですのでその点よしなに。
打ってみての感想など
今回は20分ほどの試打を行うことができました。デモ機なので当然当たりやすくなってるんですが……20分では当たりを引くことができませんでした。なので感想は当然通常時メインです。ザクッと書いてみましょう。
- 筐体はガンダムのものとベースは同じ。Vコントローラーにボタンがくっついてるタイプ。(ハルヒの丸いVコントローラーではない)
- 釘が非常に少ない。ぶっこみ周辺は数本。
- 液晶左脇に樹脂製の分岐ルートがある。右を通ればヘソへ、左を通ればそのまま風車左へ。ここの振り分けが重要なんじゃないかと。
- 毎回転何かしらの演出が起きる。(ハルヒの騒々しさのイメージ)
- 前よりもクラン・クランがちょこちょこ出てくる。ただしちっこい方。
- 三面液晶は想像以上にワイドでインパクトはあるが隅々まで見ようとすると結構大変。
- 正面の液晶は固定、左右の液晶は演出に合わせて中央で合体するような形で動いたりする。
- 液晶が動いてる割に表示されている画像がずれたりしてないのはすごいと思う。
- 音量が常時表示されているのは非常に親切。
- 右打ち時の「捻り打ち」が出来ないよう液晶上部に段差がついていたのが印象的。
- 保留変化は「変動中の保留」にも起こる可能性がある
- ディフォルメされたランカちゃんがバルキリーに乗るミニキャラ演出があるが、基本が「赤いバルキリー」なのはなんとかして欲しかった
- ハルヒにあった演出の都合上複数の音声がかぶってしまう現象はなさそう?
- 大当たり時やVコンボ時はコレでもかというピロピロ音が響き渡る。
- 大当たり時に選べる曲は全32曲。星間飛行は今回も無いっぽいが突撃ラブハートは入ってた。(ただしバサラのソロバージョン)
- 大当たり中はバトルモードに入り、バジュラを倒せば右打ち継続。
- アタッカーにオーバー入賞するとランカちゃんが「キラッ☆」って言う。
- ランクアップボーナスは「フロンティアVコンボ」という名称で、シェリル、ランカ、アルトのキャラクターごとに異なる見せ方をする。ただしVコントローラを使うのは共通。(引きっぱなし、とか何度も引く、とかそういう見せ方の違い)
- V入賞時の振り分けは75%が1950発、20%が1040発、5%が1560発。
さすがに20分しか打ってないと印象に残ったことしか書けませんが、こんな感じです。実際の台の動きなどはぼちぼち動画などが公開されていると思いますのでそちらをご覧いただければ……動画撮ろうと思ったんですがさすがにTwitter実況しながらは無理でした……
SANKYOの「覚悟」
さて、このエントリーのタイトルで「SANKYOの『覚悟』」というのを書きました。というのも今回の展示会、「CRフィーバーマクロスフロンティア2の新機種発表会」という事にはなってましたが、実際発表会の時間としては他の内容に多くの時間が割かれました。
一般的なパチンコやパチスロの展示会はザックリこんな流れで進むことが多いです。
- 短めのアイキャッチ的PVが流れる
- 司会者の開始の案内と挨拶
- メーカーの専務や役員、社長の挨拶
- 実機のお披露目
- PVを流す
- 開発担当者による機種の説明
- ゲストがいればここでゲスト登場
- 軽めのトークセッション
- フォトセッション
- 終了
今回のCRフィーバーマクロスフロンティア2の展示会はこんな流れでした
- オープニング映像の映写
- SANKYOの営業本部長の挨拶
- 市場提案のプレゼンテーション
- 実機の説明
- 締めの前にメッセージ映像の映写
- フォトセッション
- 終了
3の「市場提案のプレゼン」はあまり他の展示会では見かけない印象です。(言うほど展示会出てませんが)
このプレゼンでは現在のパチンコ業界を取り巻く状況(遊技人口の減少、今秋でMAXスペックが導入できなくなることによる影響など)を具体的な数値などを交えて説明していました。営業本部長の話の中や、実機説明の中にも「今の業界の状況を何とかしたくてライトミドルにした」という意味合いの言葉が出てきました。
また、プレゼンの冒頭にはわざわざ動画を作って業界の現状を説明してましたし、最後にはSANKYOの「パチンコで、いい笑顔。」というスローガンを交えたメッセージが流されました。今回の展示会では「現状減り続けている遊技人口をゆっくりでもいいから増加させるため、当たりを体験して貰える機会がMAXスペックよりも多く、時に多くの出玉を得ることもできる『ライトミドルスペック』に注力する」ということを高らかに宣言したと言ってもいいと思います。
おそらく業界の人にとっては「わざわざ言わなくても」という内容かもしれませんが、その内容を新製品展示会という場で、しかも一般の打ち手の人を沢山呼んだ上で改めて声高に言ってるわけですから、これは「覚悟」以外の何物でもないように感じました。
MAXスペックが近い将来なくなることを考えれば、そのギリギリまでMAXスペックを出すほうがメーカーとしては利益になることは、「MAXスペック末期には必然的にMAXタイプが売れるのでホールの半分くらいがMAXスペックでうめつくされる」と資料内で紹介したくらいなので、SANKYOもわかっているはずです。
MAXスペックがなくなった時に何か始めよう、ではもう遅いと感じているからこそ、利益よりも業界の将来を見据えたこのタイミングでの「ライトミドルスペック宣言」なのだと思います。
(ビスティブランドでエヴァのミドル出してたりはしてますが……)
「展示会と懇親会、こうだったらよかったのにな」という点
SANKYOさんが読んでるかどうかわかりませんが、今回の展示会自体について思ったことも幾つか書きたいと思います。
- Twitterでリアルタイムでツイートしている人が多かったのだからハッシュタグを入れてもらうようお願いしたほうが良かったような。
- 懇親会の時、名札がなかったので誰が誰だかわかりませんでした。ブロガーって基本顔出ししないのでハンドルネームとかブログ名とかはわかるようにしたほうが良かったのでは。
- 懇親会は参加者同士が交流を深めるだけになってしまったので、各テーブルに1人開発の人に座ってもらって、打ち手と交流を持ったほうがもっと有意義になるのでは。
今回SANKYOさんとしては初めて一般客を呼んだとのことですが、これからもホールさんだけでなくユーザーの声も拾ってくれるような、そんなイベントをしてくれることを期待してやみません。
これからの「CRフィーバーマクロスフロンティア2」
で、今後ですが台のリリース時期はわかりません(一節によると8月という話)。というかまだスペックもはっきりしてないですしね……。
プロモーションとしては「2015夏 二人の歌姫がアツくする!」というタイトルでいろんなイベントを展開していくようです。展示会では7/26(25だったかも)にベルサール秋葉原でイベントを行う事が告知されていました。また、攻略3誌の連動企画やニコニコ生放送での配信、YouTubeでの動画配信も順次行われるそうです。
また、イベント告知に関しては6月15日に公開された特設サイト(現在は閉鎖)や、TwitterのフィーバーマクロスF2公式アカウントで順次公開されていくようです。