おつさん的DJ講座 その03:サビや間奏の基本単位は8小節。

DJ Tips
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すいません、3週連続のDJイベントが終わったら……と思ったら偉い間が空いてしまいました。天狗の仕業じゃ!(反省していない

前回『Aメロ、Bメロ、サビといった曲の構造を知る』では曲の構造についてお話しました。ものすごくざっくりいうと「1番の後の間奏と次の曲のイントロを合わせてAメロの入りのタイミングが一致するようにしましょう」といものです。

とはいえ間奏の小節数やイントロの小節数は普通DJやってる最中に液晶画面には表示されませんし、目印のマーカーが自動で表示されるなんてこともありません。DJ始めたばかりのときは失敗が怖くてあらゆる曲の間奏のところに目印のCUEを打ったりしてたもんです。打つのにものすごい時間取られちゃったりしてね。

かかってる曲の間奏の小節数や次にかける曲のイントロの小節数を把握するだけでも自然なつなぎができるようになったりするので、個人的にはこの小節数の把握はやっておいたほうがいいと考えています。とはいえ「次の曲のイントロの小節数なんて数えてる間に繋ぐ場所過ぎちゃうよ」と思う人も多そうです。ただ、実際のところ「いーち、にー」と数えていかなくても案外なんとかなるんです。

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いわゆるJ-POP的な楽曲の基本単位は「8小節単位」であることが多い

J-POPと書いてますが、いわゆる「イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・アウトロ」で構成される楽曲の構成単位は8小節を一つの単位として見るとわかりやすいケースが多いです。「8小節」と書いてますが、実際は4小節×2で8小節(最小単位が4小節)、8小節×2で16小節(最小単位が8小節)というケースもあります

それでは前回の「ブルー・フィールド」をもう一回振り返ってみましょう。今度は時間ではなく小節数で見てみます。

ブルー・フィールドを小節単位に分解

どの部分か 小節数
イントロのイントロ(四つ打ちのキックが入ってくるまで) 4小節
イントロ(四つ打ちのキックが入ってから) 8小節(構造的には4小節×2)
Aメロ(「一つ、一つ」~「ヘンなの?感情」) 8小節(構造的には4小節×2)
Bメロ(「とても眩しくて」~「All I See」) 8小節
サビ(「なんでもないこの世界が」~「愛で満たされる」) 16小節(構造的には8小節×2)
間奏 8小節
Aメロ(「一言ずつでもいい」~「比例するこの感情」) 8小節(構造的には4小節×2)
Bメロ(「どこかやさしくて」~「All I See」) 8小節
サビ(「なんでもないそのサインが」~「すべての答えが待ってる」) 16小節(構造的には8小節×2)
間奏 4小節
Cメロ(「時間はいつでも」~「ホントの声を聞かせて」) 16小節
サビ(「なんでもないこの世界が」~「愛で満たされる」動画ではフェードアウトした後のフレーズ) 16小節(構造的には8小節×2)
アウトロ(「ブルーフィールド」とリフレインが入るイントロと同じフレーズの部分) 8小節(構造的には4小節×2)
アウトロの最後(Cメロ前の間奏と同じフレーズでジャーンと締める) 2小節

 

「イントロのイントロ」ってどういうこっちゃ、という感じになるかもしれませんが、「イントロA」とか「B」と書くよりはこっちのほうがしっくりする感じがするのでこう定義してみました。また、アウトロのラストは「ジャーン」と伸びた音がフェードアウトして終わる形なので厳密に2小節というわけではありませんが便宜上こうしてます。

イントロやアウトロは8小節ですが、ほぼ同じ4小節のフレーズを2回繰り返す形になっています。序盤に書いた「4小節×2で8小節」というのがこれに当てはまります。

またAメロは最初の4小節のフレーズを受けて、若干展開させたフレーズを4小節流して合計8小節にしています。サビも同様に8小節のフレーズの後、同様のフレーズを展開させて16小節にしています。資料によっては「Aメロ4小節+A’メロ4小節」みたいに「’(ダッシュ)」をつけて説明しているものもよく見かけますね。

Blue Horizonを小節単位に分解

次に同じ蒼き鋼のアルペジオの「Blue Horizon」を見てみます。YouTubeにあるのはMusic VideoのショートバージョンだけなのでフルサイズはないのでiTunesなどでご購入いただければ……構成は下記のようになっています。

 

どの部分か 小節数
イントロのイントロ(フェードインで入ってくるところ) 1小節
イントロ 8小節(構造的には4小節×2)
Aメロ(「例えば不安に」~「続けてゆこう」) 16小節(構造的には8小説×2)
Bメロ(「一人で夢中で」~「Now Sailing」) 8小節
サビ(「あの境界線の向こうで」~「Blue Horizon」の『ぶーるーほー』まで) 16小節(構造的には8小節×2)
間奏(サビの『らーいずーん』部分から間奏。サビの最後が間奏にめり込んでる) 8小節
Aメロ(「時間は急いで」~「持っていゆこう」) 16小節(構造的には8小節×2)
Bメロ(「二人のままだと」~「Now Sailing」) 8小節
サビ(「この果てなき海の中」~「希望なくしてないよ」の『なーくーして』まで) 16小節(構造的には8小節×2)
間奏(サビの『なーいよー』部分から間奏。サビの最後が間奏にめり込んでる) 4小節
Cメロ(「苦しくて弱音」~「勇気になる」) 16小節(構造的には8小説×2)
サビ(「あの境界線の向こうで」~「Blue Horizon」の『ぶーるーほー』まで) 16小節(構造的には8小節×2)
アウトロ(「Blue Horizon」とリフレインが入るイントロと同じフレーズの部分) 8小節(構造的には4小節×2)
アウトロの最後 2小節

 

もともとブルー・フィールドとBlue Horizonは非常に似ている曲です。BPMもキーも同じ、構造もイントロ・アウトロの入り・締め方がちょっと違うのとAメロの小節数が違うくらいで間奏の小節数などは同じです。多分Blue Horizon自体Tridentの解散のときに披露されたという事もあってブルー・フィールドのアンサーソング的な意味合いがあるんじゃないかと個人的には……とそれは今回のこととは関係ないですね。

で、見てみるとどちらの曲もイントロ・1番のあとの間奏が8小節になっています。BPMが同じということはよーいドンで流せばタイミングがきちんと合ってくれる、ということになりますね。(イントロのイントロを考える必要はありますが)

上記の「どっちの曲もイントロ・間奏ともに8小節」というのがポイントです。

基本8小節で考えておくとなんとかなるケースが多い

8小節という数字、たまたまこの二曲でちょうどよかったから選んだというわけではありません。他にもイントロや間奏が8小節の曲が山ほどあるんです。8小節じゃない場合でも16小節(8小節×2)だったり32小節(8小節×4)だったりする曲が多いんです。

これは曲の構成の単位が8小節(4小節×2)がベースになっていること、そしてその構成を長くするときは倍々で小節数を増やしていくと自然に聞こえるからです。

すべての曲が当てはまるわけではないですが、Aメロが6小節、Bメロが13小節、サビが22小節、みたいな曲を聞くと曲の進行が不安定に感じてしまうと思います。クラシックやプログレッシブなどならそれもありなんでしょうけども、J-POP的な楽曲の場合はノリが悪くなってしまうこともあってご法度。なので、ど大体8小節単位で曲が作られている、というわけです。

ちなみに自分の場合は

  • 普通の長さだなー、ってイントロや間奏は8小節
  • ちょっと長いなー、ってイントロや間奏は16小節
  • 短いなー、ってイントロや間奏は4小節
  • 長すぎじゃね?ってのは32とか64とか
  • 数えきれないやつは仕方ないのでDJツールでMeas数える

って感じでやってます。すごいざっくりですが、これでもなんとかなっちゃうもんです。というのも「ちょっと長いなー」と感じた間奏が「19小節」なんてことは基本ないからです。(16小節+8小節、という構成になることはありますが)

実際に繋いでみる

というわけでざっくりとブルー・フィールドからBlue Horizonとその逆のつなぎを録ってみました。サクッと聞けるようサビの前半を省いていますので実際の曲とサビの長さが違います。

コメント入れてありますが、ブルー・フィールドからつなぐときはBlue Horizonのイントロのイントロ1小節をサビの最後の1小節(「愛で満たされる」のところ)に重ねています。また、Blue Horizonからつなぐときはブルー・フィールドのイントロのイントロ4小節分をBlue Horizonのサビの最後4小節に重ねてます。こうすることでイントロと間奏のタイミングがきちんと合うわけです。

タイミングが難しい!という人は「イントロのイントロ」を省いてしまって、イントロの頭の部分でタイミングを取るといいと思います。

サクッとやってますがこれもイントロと間奏がどちらの曲も8小節という同じ小節数で構成されていることが体感的にわかっているからできるわけです。

 

前後の曲で小節数が異なる場合の繋ぎ方いろいろ

つなぐ前後でイントロの長さと間奏の長さが一致していると非常につなぎやすいのですが、曲によっては「前の曲の間奏が8小節、次の曲のイントロが16小節」みたいなケースに直面することもままあります。その場合、

  • 前の曲の2番が始まる前に前の曲を落としてしまう
  • 次の曲をかけるときにイントロの途中(9小節目)から始める
  • 前の曲の間奏をループ機能を使って長くしてつなぐ
  • いい感じでカットインでつないでしまう
  • テキーラ飲んでごまかす

などの方法があります。

逆に、前の曲の間奏が長く、次の曲のイントロが短い場合は

  • 次の曲を前の曲の間奏の9小節目まで待ってからかける
  • 前の曲を間奏の途中で落としてしまう
  • 次の曲のイントロをループさせてつなぐ
  • いい感じでカットインでつないでしまう
  • イエーガー飲んでごまかす

などの方法があります。

実際に間奏が長い曲にイントロが短い曲をつないでみる

サンプルとして間奏が8小節の「シュガ・シュガ・マリン・クルージング」とイントロが2小節しかない「Groovin’ Magic」をつないでみるとこんな感じになります。あらかじめGroovin’ Magicの「あっああーあー」をループさせておいて、いいところでループを解除してつないでいます。

イントロや間奏が長かったり変則的な場合もある

さて、最後にアイマリンの「Marine Dreamin’」も見てみましょう。この曲はイントロや間奏が長く、ところどころクッション的に2小節の短いフレーズが入るところが特徴です。

どの部分か 小節数
イントロAのイントロ(泡音がするところ) 1小節
イントロA(カッティングギターのフレーズ~「Go Go Let’s Go Sea Story」~カッティングギターのフレーズ) 8小節(構造的には4小節+4小節)
イントロB(シンセのフレーズが入る) 8小節
Aメロ(「夏の匂い眩しい太陽」~「混ざり合うこの場所で」) 8小節(構造的には4小節×2)
Bメロ(「君と私のストーリー」~「私のハート 輝く」) 8小節(構造的には4小節×2)
サビ(「サマーデイズ マリンブルー」~「このチャンスを掴むんだ」) 8小節(構造的には4小節×2)
間奏のイントロ(カッティングギターのフレーズ~「いっくよー」) 2小節
間奏(ラップ部分) 8小節
間奏(海物語の効果音が入っている部分) 8小節
間奏(カッティングギターのフレーズ) 2小節
Aメロ(「太陽照らす二人の影が」~「混ざり合うこの場所で」) 8小節(構造的には4小節×2)
Bメロ(「君と私のストーリー」~「二人のハート 輝く」) 10小節(構造的には4小節×2+2小節)
サビ(「サマータイム マリンスノー」~「このチャンスを掴むんだ」) 16小節(構造的には4小節×4)
アウトロ 16小節

 

ブルー・フィールドやBlue Horizonと違って16小節単位の構成部分がほとんどありません。また間奏も2小節のクッション部分が入ったり、複数の構成パーツが組み合わさっていたりしていて非常に複雑です。

が、これも次の曲の入りのタイミングを工夫することでいい感じでつなぐことができます。むしろ、こういう曲の場合繋げる場所がいくつもあって、どこでつなぐかで曲の印象が結構変わってきたりします。例えばブルー・フィールドとつなぐとしたら……

  • パターンA:ブルー・フィールドの2番の頭とMarine Dreamin’のイントロAの頭を合わせる
  • パターンB:ブルー・フィールドの2番の頭とMarine Dreamin’のイントロBの頭を合わせる
  • パターンC:ブルー・フィールドの2番の頭とMarine Dreamin’の1番の頭を合わせる
  • パターンD:ブルー・フィールドの間奏の頭とMarine Dreamin’のイントロAの頭を合わせる
  • パターンE:ブルー・フィールドの間奏の頭とMarine Dreamin’のイントロBの頭を合わせる
  • パターンF:ブルー・フィールドの間奏の頭とMarine Dreamin’の1番の頭をあわせる

という具合に色んな所でつなげられる可能性があります。(BPM結構離れてますがそこは合わせるということで)

実際に繋いでみるのは、また次回にしたいと思います。

コメント

  1. ten より:

    訂正です。ブルー・フィールドの1Bの小節の数が8小節なのに4小節と記載されています。

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