その名前から海外のメーカーと思われがちですが、実は日本の楽器メーカーである「KORG(コルグ)」。シンセサイザーのメーカーとしての印象が強いKORGですが最近はiPadやiPhoneなどの機器で使用できる各種アプリもリリースしています。何年か前までは「えータブレットでシンセ?」という感じでしたけど、iPad Proとかのスペックがあればシンセサイザーとか各種ガジェットって結構普通に動いちゃうんですよね。
で、そのKORGが昨年の末にAndroid用のアプリを市場に投入してきました。楽器の演奏ができなくてもタッチパネル上で指をスライドさせるだけでシーケンスを作ることができる「Kaossilator for Android」です。1月5日まで期間限定で半額だったこともあって、購入してちょっと色々試してみました。
Kaossilator とは?
「Kaossilator」はKORGがハードウェアフレーズシンセサイザーとしてリリースしていたもので、どこでもサウンドを楽しめる小型のもの(Kaossilator 2S等)、ライブセッションにも使用できる多機能なもの(Kaossilator Pro等)など様々なバリエーションがあります。
普通の楽器であれば鍵盤や弦で演奏を行いますが、Kaossilatorはタッチパッド部分を触ることで音を鳴らすことができます。タッチパッドの触る位置により音色が変化したり、フレーズが変化したりするのも特徴です。
また、演奏は内蔵シーケンサーに録音(厳密にはタッチしたパターンを記録)でき、その記録した演奏に更に別のフレーズをどんどんかぶせて曲を作っていくことができます。
Kaossilator 2S
Kaossilator Pro +
Android版はiOS版Kaossilatorの移植版
Android版のKaossilatorはハードウェア版にあるオーバーダブの機能がなく、各チャンネルに個別の音色を割り振るような作りになっています。iOS版「iKaossilator for iPhone」というのが出てまして、一部の機能は異なるものの、移植版と言って良いものです。出来ることはこんな感じ。
- タッチパットに触れることで音やドラムループを流すことが出来る
- 触る箇所によって音階や音の音色(フィルターがかかったりする)が変わる
- 触ったパターンをシーケンスとして記録できる
- 最大で5パートまで記録可能
- スケールとキーが設定できるので不協和音が鳴らない
- できた曲をGoogle Play Musicにエクスポートできる
プロモーションムービーもあるのですが実際にiPhone版でパフォーマンスをしてる動画があり、そちらのほうが参考になります。実際の曲作りや操作はこちらを参照。
Kaossilator for Androidのいいところ、残念なところ
楽器のできない人でもコツがわかればそれなりに形になるところは流石です。パートは合計5パートしかありませんが、フリックでソロやミュートが切り替えられるので、「ドラムループだけミュートしてブレイクを作る」とか「ベースのフレーズだけにする」とかは比較的簡単にできます。
音ネタとしてもドラムループが比較的豊富なので「とりあえず場をつなぐためになんかリズム流しておきたい」みたいな使い方もできます。また、効果音系、クラップなどのワンショットも少しではありますが入っていますので、手持ちの楽器の補助に使う、といった使用方法もあります。
ただ残念な面もあります。狙った音が出せないことが多いんです。
Kaossilator for AndroidのタッチパッドのX軸は2オクターブ分とかなり広い範囲の音階をカバーしています。選んだスケールにより1オクターブは8~12段階で変化するので、タッチパッドは最大で24段階まで刻まれます。スマートフォンでやるとなるとほんの僅か指を動かしただけでも音階が変化してしまいますし、そもそもパッドに目印が刻まれていないので、「ドの音を鳴らそうとしたらレが鳴っちゃった」みたいな事が多発します。シーケンサーとして使うのであれば上書き記録すればいいだけなんですが、ライブパフォーマンスでやろうとした時にはちょっと厳しいかもしれません。今後のアップデートで「グリッドの解像度の調整」かKaossilator Proみたいなグリッド表示ができるようになるといいのですが、KORGさんどうでしょうか。
あとMIDIなど外部との同期も今の所取れないみたいです。DJ回してる時に併用するのは準備しておかないと難しいのかも。
2017年1月5日までは半額で買えます
このKaossilator for Androidですが発売記念キャンペーンで1月5日まで特別価格の980円で提供されてます。(通常1,980円)対応OSはAndroid 5.0以上。Google Playはダウンロード後2時間以内に返品処理すれば決済されない仕組みですので試しに数十分ほど遊んでみて、どうするか判断してみてもいいんじゃないでしょうか。
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