エフェクトとオートループならXP2よりSP1!DDJ-SP1をrekordboxで使ってみました

DJ Tips
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パイオニアのMIDIサブコントローラー「DDJ-SP1」を購入しました。

自宅でDJやる分にはこの手のものはなくても困らないのですが、CDJやDDJ-RBでやるときに色々と制約が出てくることもあって「あると便利かなー」と思ってたんですね。たまたま中古が安く出てたので衝動買いしてしまいました。

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DDJ-SP1ってどんな代物?

一言でいうと「エフェクト・オートループ・パッドなどをコントロールできるMIDIコントローラ」ということになります。

もともとはSerato DJ用で、本体にあるのは「Serato」のロゴだけ、「rekordbox」のロゴが入っていません。デモの動画なんかを見てみるとDVSでプレイする際にHotCueやサンプラーなどを効果的に使えるようにと開発されたもののようです。

また、CDJ-2000NXS2のMIDIポートにつないで直接CDJをコントロールすることもできるそうです。

機械自体は単なるMIDIコントローラーの一種ですので、rekordbox DJでも使えないことはありません。

というかrekordbox 6につないだら機能が割り振られた状態で認識しますので、ほぼそのまま使えます。

※ rekordbox 5で機能が割り振られた状態で認識されるかは不明ですが、自力でMIDIマッピングすれば使えるはずです。

DDJ-SP1の個人的な推しポイント

DDJ-SP1と比較されがちなのがパッド数が多いDDJ-XP2です。

最近流行ってきてるトーンプレイであるとか、サンプラーを多用するなどのプレイに向いたコントローラーですね。XP2に関してはserato DJもrekordbox DJもサポートしてますし、フルカラーのパフォーマンスパッドは視認性も抜群です。

ただ、自分のプレイスタイルにはSP1の方があってるかなという気がしています。SP1を選んだ理由としてはこんなところが挙げられます。

  • 各DECKに対し3系統のエフェクトコントロールが可能
  • ループを使用する際、ワンアクションで任意の長さでループが可能
  • 小型コンパクト(13インチのMacBookProよりもちょっと横幅が大きいくらい)
  • ガタつかない程度のいい感じの重量感、パフォーマンスパッドもしっかりしている
  • CDJの環境に持ち込むだけでやれる幅が大幅に広がる

rekordbox DJ + DDJ-SP1でできること

細かい点は後々説明しますが、rekordbox DJに接続した場合ざっくりとこんなことがデフォルトでできます。

  • エフェクトコントロール(FX1・FX2)
  • エフェクトの適用トラック切り替え
  • DECKの切り替え
  • SYNCのオンオフ
  • MASTER DECKの指定
  • SLIP・SLIP REVERSE
  • MEMORY CUE間の移動
  • オートループ関連操作
  • HotCue操作
  • BEAT JUMP
  • PAD FX1・PAD FX2
  • SLICER・SLICER LOOP
  • サンプラー
  • ブラウザからの選曲とロード

他にも細かいことがありますが、とにかくエフェクトとオートループを使いたい人向け、という印象が強いコントローラーになっています。

rekordbox DJにDDJ-SP1を組み合わせて使える機能詳細

実はDDJ-SP1とrekordbox DJを組み合わせてどういう事ができるのか、公式ページには全然情報がありません。rekordbox DJにつなぐと自動で認識するのかどうかとか、macOS Big Surで使えるのかどうかとかいった情報も全くありません。

なので手元で確認した機能周りをまとめていきたいと思います。なお先にも書いたとおりrekordbox 5では試していませんのであらかじめご了承ください。

エフェクト周り

DDJ-SP1エフェクトノブ

パッと見でわかるとは思いますが、DJコントローラーと異なり3系統のエフェクトをこれ一台でコントロールできてしまいます。フランジャーかけながらリバーブとか、エコーかけつつリバーブとかも思いのままです。

エフェクトのオンオフはつまみの下にあるボタンで行います。SHIFTキーを押しながらボタンを押すとエフェクトが1つずつ切り替わっていきます。

つまみの一番右側はロータリーノブになっていて左右に回すことでエフェクトのビートを変えることができます。REVERBならパーセンテージを、ECHOならビート(1/4とか3/4とか)を変えることができます。

このロータリーノブは3つのエフェクト全部に影響するので、うっかりしてると「REVERBが90%になってた」とかもありうるので注意が必要です。

また、ロータリーノブを押し込むとReleaseFXをオンオフすることができます。押すだけでVINYL BREAKやBACK SPINがかけられるので結構重宝します。

ロータリーノブの下のボタンはBPMに合わせてタップすることでエフェクトのBPMを手動で調整することができます。(AUTOに戻す場合は長押し)また、SHIFTを押しながらボタンを押すとエフェクトのモードがマルチとシングルで切り替わります。

DDJ-SP1 FX ASSIGN

FX1・2をどのDECKに割り当てるかは「FX ASSIGN」のボタンで決めます。左右両方をDECK1にする、ということもできるので1つのDECKに最大6種類のエフェクトを掛けられることになります。(わちゃわちゃになりますが)

エフェクトを効果的に使用するには非常に重宝するエフェクト部分ですが、DDJ-1000やDDJ-400の本体側のエフェクトノブと併用すると面倒なことが起きる場合があります。この原因については後述します。

パッド周りと「PARAM.1」ボタン

DDJ-SP1 パフォーマンスパッド
DDJ-SP1のパッド部。「ROLL」とか「MANUAL LOOP」とか書いてあるのはあくまでserato用の割り振り。

パッドは一般的なDJコントローラと同じようにモード切替ボタンが4つと、パフォーマンスパッド8つで構成されています。パッドは非常にしっかりした作りでかつ大型になっており、DDJ-1000のパッドに近い感じです。LEDは青のみなので、Hot Cueを色分けしていても全部青になります。

また、モード切り替えに応じてPARAM.1ボタンの挙動が変わりますのでそれも合わせてご説明します。

なお、モード切替ボタンに書かれているモードはあくまでserato DJ用で、rekordbox DJでの機能と異なるという点は注意が必要です。

HOT CUEモード

「HOT CUE」のボタンを押すとこのモードになります。挙動としてはDJコントローラーのHot Cueモードと全く同じです。

便利な点として、HOT CUEモードのとき、PARAM.1ボタンはMEMORY CUEの移動ボタンとして機能します。DDJ-RBやSBにはMEMORY CUE関連の操作割当がないですし、DVSも同様にMEMORY CUE操作ができないので、地味に重宝します。

PAD FX1モード

「ROLL」のボタンを押すとrekordbox DJの場合はPAD FX1のモードに切り替わります。これもDJコントローラのそれと同じ操作モードです。

SLICERモード

「SLICER」のボタンを押すとSLICERモードになります。オンにすると曲が指定された長さ(デフォルトは1BEATS)でスライスされた状態になり、パッドを押すとそのスライスされた箇所がロール再生されるようになります。

PARAM.1ボタンを押すとパッドを押したときにROLL再生される長さが変化します。また、Shift+PARAM.1を押すと、スライスされる範囲の長さが変化します。

SLICERモードを説明している動画はこちら。英語ですがニュアンスは伝わるのではないかなと。

SAMPLERモード

「SAMPLER」のボタンを押すことでサンプラーを使うことができます。PARAM.1ボタンでバンクの切り替えができるのでDDJ-SP1だけで最大で32個サンプルを選択可能。また、サンプラーのボリュームもDDJ-SP1中央のフェーダーで調整できます。

DDJ-SP1 サンプラーボリューム
サンプラーのボリュームは独立して配置されている

BEAT JUMPモード

「Shift+Hot Cue」ボタンでBEAT JUMPになります。PARAM.1をそのまま押すとBEAT JUMPの数値が1段階ずつ変化します。また、Shift+PARAM.1を押すとページ単位で数値が変化します。

PAD FX2モード

「Shift + ROLL」のボタンを押すとPAD FX2のモードに切り替わります。DDJ-400などではPAD FXが2系統使えないので、そういう機器と合わせて使うには便利かも。

SLICER LOOPモード

「Shift+SLICER」のボタンを押すとSLICER LOOPモードになります。SLICERと違い、オンにした位置から一定の範囲をループする形でSLICERが有効になります。PARAM.1の動作hあSLICERと同じです。

SAMPLERモード(ベロシティ有効)

「Shift+SAMPLER」のボタンを押すと、叩く強さによって音量が変わる状態(ベロシティが有効になった状態)でサンプラーが使用できます。PARAM.1ボタンの挙動はSAMPLERと同じです。

オートループはロータリーノブ+押し込みで

DDJ-SP1 オートループ

エフェクトのノブとパフォーマンスパッドの間にはDJコントローラーについていないことの多い機能類が割り振られています。

「SYNC」はBEAT SYNCのオンオフ、Shift+SYNCはそのデッキをMASTERに変更します。

「SLIP」はそのまま「SLIP」のオンオフ、「CENSOR」は「SLIP REVERSE」になります。また、「Shift+CENSOR」は「REVERSE」のオンオフトグルボタンになります。

「AUTOLOOP」は押し込むことでオートループがオンオフできるノブです。ノブを回すとオートループの範囲が切り替わります。ノブを回して「8 beats」にして押し込むと押し込んだところから8beats分のオートループがスタートし、もう一回押せば解除になります。

DENON DJのPrimeシリーズなんかのオートループはこの仕組みになってるんですけど、すごく便利です。
ただクオンタイズをオンにしておかないと微妙にずれる可能性があるので、そのへんはご注意を。

下はDENON DJ PRIME4のチュートリアルですが、操作感覚はこれと同じような感じです。

DDJ-400などと組み合わせて使うときはエフェクト周りの挙動に注意

DDJ-SP1、超使えるサブコンなんですが特定のDJコントローラーと組み合わせて使うときはエフェクト周りの挙動に注意する必要があります。

DDJ-RB接続時のFX1
DDJ-RBなどを接続したときのFX1の表示

通常DJコントローラーを接続するとrekordbox DJのFX1の部分はこんな感じで表示されます。「FX1」と書かれたすぐ右側にグリッド状に数字などが並んでいますが、これは「FX1のエフェクトをどこにかけるか」を設定する部分になります。通常はFX1はDECK1に、FX2はDECK2にかかるようになっています。わかりやすいですね。

この場合DJコントローラーについているエフェクトノブとDDJ-SP1のエフェクトは併用しても特に問題は出ないと思います。

DDJ-1000接続時のFX1
DDJ-1000を接続したときのFX1の表示

DDJ-1000を接続した時、FX1の表示部分は上の画像のように変化します。グリッド部分に「CH1」とだけ表示(FX2は通常と変わらない表示)されていますが、DDJ-400や800などの「ミキサーの右下にエフェクト関係のコントローラーがついている」というモデルはおそらく全部こうなると思われます。

この場合、「FX1はDECK1、FX2はDECK2」という法則が崩れ、「FX1を各チャンネルで使い回す」という形になります。

この方式の場合、DJコントローラー側のエフェクトで「CH2」を指定するとFX1がCH2にかかるようになります。結果として、「DDJ-SP1のFX1(見た目上DECK1)についているエフェクトノブを操作してるのに右側のDECKにエフェクトが掛かってしまう」という状況が発生してしまいます。

DDJ-1000などの機器とDDJ-SP1を組み合わせるときは

  • DJコントローラー側のエフェクトは使用しない
  • DDJ-SP1のFX1側しか使用しない

のいずれかにしないと、意図しない形でエフェクトを掛けることになってしまうため、注意が必要です。

これからDDJ-SP1を入手する際の注意点など

さてDDJ-SP1ですが明確なデータはないものの、おそらく生産は終わっています。最新OSへの対応についてもアナウンスしてないくらいなので正直サポート面もあまり期待できません。買うとなると中古やオークションで、となると思いますが色々と注意点があります。

serato Video使いたい人はライセンスの有無を要チェック

DDJ-SP1はもともとserato DJ用に作られたMIDIコントローラーです。付属品としてseratoでVJ機能を使うことができるSerato Videoのライセンスと引き換えられるクーポンがついてきます。そもそもrekordbox DJでしか使わないつもりなら関係ない話ではありますが、単体で購入すると13,200円するものなのでserato持っていてVJ用途として使うことを想定している人は有無は確認しておいたほうがいいでしょう。

ちなみに前に「PCDJで同時にVJもやるならSerato Videoよりもrekordbox videoのほうがいいかも」って記事を書いてたりしますので興味ある方はどうぞ。

rekordbox 5のライセンスはついてこないし、rekordbox 6のハードウェアアンロックにも非対応

上述の通りserato用の機器なので、新品で買ってもrekordbox 5のライセンスキーはついてきません。

また、rekordbox 6は特定のハードウェアを接続することでPERFORMANCEモードが使えるようになる「ハードウェアアンロック」機能がありますが、DDJ-SP1は対象になっていません。(XP1とXP2は対象)必然的にサブスクリプションでCoreプラン以上を契約していないと使用できないので注意が必要です。

新品で買うのは困難

市場流通がほとんど終わっている状態で、新品を買うのはかなり難しいと思われます。ただ中古市場には比較的数が出ているので、「全く見つからない」ということはないと思います。自分はメルカリで見つけました。

中古の場合は状態に気をつける

DVSなどで使うために外に持ち出していた人が結構いるようで、「ノブが壊れている」とか「傷が入っている」といったものが出ているケースがあります。また、付属品なしでの出品も多いようです。(そもそも付属品が説明書とUSBケーブルとserato Videoくらいしかない、ってのはありますが…)

ちなみにネットオークションでは1万円台半ばくらいから出品されているケースがあるようです。安めのDJコントローラーよりもしっかりした作りでパッドもDDJ-400やRBよりもかなりしっかりしてます(DDJ-1000と同じような感じ)ので、「このPADでプレイするのはちょっと勘弁!」って方にもおすすめですよ。

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